コメント
高校の教科書で読んだ時には何とも思わなかったのだけれど、大学に入ってから読んだらめちゃくちゃ面白くてびっくりしたのが山月記。
『タタール人の砂漠』とかもそうなんだけれど、自分の実情と理想との乖離とか、自分の可能性の狭まりや身の程を知っていく苦しさとかは、高校時代に読んでも響くようなものではない。
それこそ高校生の時なんか「臆病な自尊心と尊大な羞恥心」を持ちまくっている時期だと思うけど、高校卒業後、それを持っていた(あるいは持っている)ことを自覚してからの方がこの小説は面白い。面白いというか読んでいて苦しい。